詩人とは、何をなす人か?
「Coyote」No.40の特集は、
『谷川俊太郎、アラスカを行く』であった。
リン・スクーラー氏は、
彼の家で谷川氏とリン・スクーラー氏の5人の友人と語り合った。
(リン・スクーラー氏の文章の引用)
一人の女性が五年間の付き合いの中で一度も肉体関係をもたず、
心を開いてくれなかった男性との話をしてくれた。
彼との関係が終わった後、こんな想いをするのなら
もう二度と愛なんていらないと感じていたという。
この気持はよくわかる。
一度火傷をしてしまうと火を恐れるようになる。
しかし、そのあと彼女は微笑み、
谷川さんの詩を読むまではそういう風に
感じていたのだと言った。
愛と希望についての詩を読んでから、
彼女は気持が変わり、
もう一度幸せになる為に心を開いた。
今、彼女は結婚して子供がいる。
私はようやく理解できた。
詩人の仕事とは、人々の人生に触れること。
谷川俊太郎、七十八歳。
ということは、六十年間詩を書き続けていることになる。
もし、彼女の人生を変えたかもしれない言葉を書いていなかったら、
この若き女性の幸せな結婚はなく、
子供もまだ生まれていなかったかもしれない。
(略)
詩人の言葉は彼が決して出会わないかもしれない人々に
影響を与える。
素晴らしい詩は何千年もの間に、誰かの人生を変えるかもしれないのだ。
「谷川さんの様になりたい!」と書いたら
妄想と切り捨てられるだろうか!?
泣き言ばかりの私が作る詩でも、
誰かの人生を良い方向に変えることが出来るのだろうか?
これからの私の課題である。
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