詩ポッポ「にぎにぎ」7/30に生まれる
線路を歩く
真っ黒な「ぷらっとほーむ」を降りた
体が軽いから飛び降りるのはとても簡単
でも心はずしりと重たい
貨物列車のゴトンゴトンに
耳をそばだてながら
轢かれないように轢かれないように
雨と汗が浸み込んで鎧の様に重たい
よれよれの上着がへばりついた体で
飲み会で負けた落ち武者はレールの間を歩く
寝過ごした
最寄りの駅から歩けば、たったの5分なのに
寝過ごした
この土地は12時には
僕が乗れる電車は走っていない
酔っぱらって寝過ごして
山向こうの真っ黒な駅で降りたことは
何度もある
今までは僕しかいないこの駅まで
タクシーを呼んだ
無駄にお金を使うのはもう嫌
無駄に汗を流して
レールの間を歩く走ることを選ぶ
以前なら「バカたれ」と
自分を責めて悲しかった
「お前が嫌いだ」「お前を落としてやる」
嘘吐きな僕が悪いのに
恨みつらみの感情が
不気味に口をにんまりする
2時間歩いてやっと辿り着いた我が家
玄関灯の妖しさは
あいつの不幸を望む落ち武者を
どう思うのだろうか
(プチはんざいだよね。もう時効です)
こんなプチ最悪な夜は、幸せなことに最近はありません。
詩ポッポ「にぎにぎ」の辿って来た線路は、
佐賀⇒東京都港区⇒東京都西東京市ひばりヶ丘
⇒京都市⇒大分市⇒北九州市⇒大分市です。
大分市に落ち着きました。
本籍を佐賀から大分市に変えました。
詩ポッポ「にぎにぎ」は、
力一杯でも、スローリィな車輪を回して来ました。
時々、回転が速まったり、ゆっくり過ぎて止まったり、
少しだけ止まることが度々でも、
ここ、この時に辿り着きました。
「七転び八転び」の日々
生きています。
人生は、ドラマじゃ。
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