健さんは励んだ。映画の準備を。
映画「幸福の黄色いハンカチ」
冒頭。
刑務所から刑期を終え出所した直後の食堂で、
女性店員についでもらったグラスに入ったビールを、
深く味わうように飲み干した後、
ラーメンとカツ丼を食べるシーンがある。
その収録で「いかにもおいしそうに飲食する」リアリティの高い演技を見せ、
1テイクで山田洋次監督からOKが出た。
あまりにも見事だったので、山田洋次監督が問い尋ねると、
「この撮影の為に2日間何も食べませんでした」と言葉少なに語り、唖然とさせた
映画「八甲田山」
吹雪の中で立ち往生してしまうシーン。
現場に行くのに役者は歩いて行かないといけない。
当然、足跡がつく。
立ち往生しているのに足跡がついているのはおかしいと、
雪山で4時間、足跡が消えるのを待った。
健さんは、富士山の様な人。
だれもが触れたくて、触れてほしくて、
でも触れてもらったら、とても恐れ多くて。
健さんは、愛情たっぷりで、とっても威厳のある人だった。
健さんは、昭和の「映画の名工」だった。
ぼくも、
詩のボクシングに参戦してた頃は、
朗読のために、中古だけど、
スタンドマイクやアンプを買って。
詩に、ゆっくりと、とか、間をおいて、など書いて。
朗読をボイスレコーダーやビデオカメラで録って。
聴いてたな。
永久別府劇場や
博堂村で詩の朗読をした時も、
その前に、練習しまくっていたっけ。
関連記事