蓮の花弁の上で(詩;木村永遠)

にぎにぎ

2016年07月19日 19:37

蓮の花を見詰めている僕は
いつのまにか蓮の花弁の上で
瞳を閉じている

犬は猫は猿は人間の大人以外の動物は
喧嘩をしても戦争はしない
植物は喧嘩さえもしない

やっと声を出すことが出来る
後わずかの命の蝉が叫ぶ精一杯は
「戦争で犠牲になるのは
人間だけでは無いんだぞ!
人間の都合で戦争をされたら困る!
命は戻らないんだ!」

蓮の花弁の上で
恒久平和を祈り続ける僕は
瞳を開けることに少し怯えている



(月刊Marco Polo大分市東部11,000部配布の
8月号のために作った詩。
木村永遠・・・NHK文化センター・JEUGIAパークプレイス
「詩」講師10月より。体験教室9月)



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