続・伊藤比呂美詩集(思潮社)
続・伊藤比呂美詩集(思潮社)を、読んだ。比呂美さんは、詩人の中では名前が浸透している人だと思う。詩人よりも一般の人の方が、比呂美さんを好きなのではないかとも思う。
それは、比呂美さんの歯に衣着せぬ言葉が、
痛切な赤裸々感を突き付けてくるからかもしれない。例えばLaLaTV「男子禁制」での比呂美さんの発言等。私は男性ではあるが、
性についての考えや衝動等、気恥ずかしいけれど、比呂美さんの考えに少なからず共感していることは否めない事実である。
比呂美さんの詩は、
自分の心に真摯に向き合い過ぎてきたために、激流にのまれながらもバタバタ泳いで、何とか詩を作る時に辿り着いて、やっと生まれた過酷さが感じられる。ものごとを深く捉え過ぎて、挙句の果てには虚無感が漂ってしまう詩が多い。生きるか死ぬかの切羽詰った状況を感じさせられる詩も多い。
ナシテ、モーネン
違和感は皮膚よりも性よりも、
言語をもって明瞭にされる、わたしをも特殊化して、
その言語には抑揚がなかった、
抑揚のない話し手に囲まれて、わたしは、
流暢に会話を持つことができなかった、
(略)
これからも「熊本文学隊」の隊長でもある比呂美さんの生き様を見詰めながら、
地方での「文学の発展性への取り組み」は勿論、「
生きながらえること」の意味を解いていきたい。
「熊本連詩」会場にて頂いたサイン。
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