クリスマス模様

にぎにぎ

2011年12月25日 15:59

イエスが生まれた日は
「漆黒の夜に煌煌と輝く星に導かれて馬小屋に辿り着いた学者の役」をしていた
幼気だった頃

2011年12月の街には
クリスマスイルミが
「恋人達や家族やひとり者も温かくなる幸せ」を演出している
燦然と光るイルミが「作られた明るさ」だと分かってはいるけれど

2011年のクリスマスイブの昼下がりの集会場では
穏やかな朗読が吐息を奏でている
「電球とコードで縛り首にされた幹の悲しさをビリーホリディの押し殺した声で表した詩」に
表面上の浮かれ気分を叱られた

2011年のクリスマスイブの夜は
潮風の激しさと急激な冷たさにぶるぶる震えていたけれど
若い女性の「手作りのケーキとポットから注がれた紅茶」で温まった後は
「陽だまりにお黙りを掛け合わせた詩」に
心が笑みで一杯になった

人々が集っている向こうでは
「漆黒の夜に次から次へと輝きを上昇させる花火達」に
短い華やかさを堪能しようとしている
今年のクリスマスは明日への自信が持てない心模様


注1
「漆黒の夜に煌煌と輝く星に導かれて馬小屋に辿り着いた学者の役」は、
幼稚園のクリスマス会で行った劇「イエス生誕」で、僕が演じた役。

 注2
「電球とコードで縛り首にされた幹の悲しさをビリーホリディの押し殺した声で表した詩」は、
河野俊一氏の詩「クリスマスの縛り首」を読んで感じたイメージ。

注3
「陽だまりにお黙りを掛け合わせた詩」は、
二宮圭一氏の詩「題不明」で、思わず笑ったフレーズ。




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