バラの花束

にぎにぎ

2012年03月07日 21:34

卒業式の後
「高校三年間大変お世話になりました」と
頂いたバラの花束
「自分達三五名は個性が豊か過ぎて
先生には迷惑ばかりかけてしまいました」
深紅に輝くバラだけではない
花束の中にはピンクのバラ
黄色いバラも鮮やかな輝きを放っている

「先生が担任をしてくれたからこそ、
無事卒業でき新たな道へと
進んでいけるのだと思います」
真っ白な かすみ草が
三五本のバラの出発(たびだち)を
優しく見守っている

「大変お世話になりました。
ありがとうございました」
後何日かでお別れをすると決まった頃
君たちはやっとまとまった
ひとりひとり三百円ずつ出し合って
僕に贈る花束(とネクタイ)を買った

厳しい冬の話はかりをしていた僕に
卒業式の後
「高校三年間大変お世話になりました」と
あったかい心をこめて贈ってくれたバラの花束
『こちらこそありがとう。
君たちは僕の大切な宝物です。
みんな!とっても楽しかったよ』

君たちがいなくなった後ひとりになった僕は
バラの花束の向こうにはっきり見える
君たちの煌めきを目を細めて見詰めている
かけがえのない思い出と共に
何故か熱い感情がこみ上げて
不覚にも涙を流してしまった


 (二〇一二年三月一日「卒業式」の後、クラスの生徒からバラの花束とネクタイとメッセージを頂きました)



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