スクランブル交差点(夏の日差し)
ちっぽけと思いたかったけど
とてつもない思いを抱えていた君が
スクランブル交差点の斜め向こうから
前の人と横の人の間を縫って
走って来る
髪をそよ風の爽やかさにした君が
デパートのすぐ前の横断歩道から
人々が いろいろな思いを寄せている間から
僕に向かって
まっしぐらに飛び込んで来る
ちっちゃくて か細過ぎる姿を
思い出せない位
満面の笑顔が心地よい
君は
悲しみや寂しさという名の感情さえも
ほとばしる汗 さえも
微笑みに かえて
僕の胸の中に 飛び込んで来る
好きだよ
僕も君も 人目など知らない
しかめっ面だった僕の
細い首に飛びついた君を
好きだよ の 思いを込めて
しっかりと 抱き締めている
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