お祭りの夜
君と出逢ったのもお祭りの夜だった
君と由美ちゃんは色違いの浴衣で
赤い鼻緒の下駄をカランコロン鳴らせてた
君と由美ちゃんは
僕と英ちゃんが金魚掬いをしてるのを
見ていたね
英ちゃんは金魚掬いの名人だけど
隣の僕は金魚に遊ばれていた
英ちゃんの凄さに驚いていた君たちは
僕の下手さに思わず吹き出した
困った顔をした僕に
君は何故か
「ごめんなざい」と声をかけてくれた
今年のお祭りは君と一緒に
下駄をカランコロン鳴らせてる
君と僕は買ったばかりの色違いの浴衣を着て歩いてる
君は綿菓子が大好きで
顔より大きな綿菓子を美味しそうに
頬張っている
相変わらず金魚掬いが下手な僕は
吹き出る汗を拭おうともせずに
何回も金魚に遊ばれている
来年もまた次の年もずっとずっと
優しくて無邪気な君と一緒に歩いていたい
心もとっても不器用な僕は
君に「ありがとう」の言葉も使えないまま
迷子にならない様に
君から繋いでくれた手の温もりに
「好きだよ」の思いを込めている
ずっと続いて欲しい君と二人で歩くお祭りの夜
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