あっこガーデン
17歳のまんまの君は
練習試合も出来ない位狭いグランドの
片隅で
17歳のまんまの君は
野球の練習のお邪魔をしないように
ほんの片隅で
ピンクのチューリップになって
真っ黒に日焼けした野球少年達を
見つめている
「あっこ」
君が亡くなって1年半が過ぎた
病院での癌の治療を止めて帰って来た後
顔一杯のマスクをして
精一杯生きていた
「あっこ」を知っているみんなは
「あっこ」の願いを
いっぱいいっぱい夢がつまっている
でっかいでっかい甲子園に
連れて行こうと誓っている
「あっこ」の書いた
「心」の文字の入った
真っ赤なTシャツを着て
「あっこ」
もうすぐ君が羽ばたいた夏が来ますよ
君の姿を知らない後輩たちは
「あっこガーデン」のチューリップに
水をあげる度に
精一杯生きた「あっこ」と共に
甲子園に行こう と
土埃の舞う小さなグランドで
ぼろぼろになったボールを
追い続けています
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