浴衣の君とずっと
はにかむ君の浴衣姿は祭囃子に似合っていた
降りて来た駅の出口で
「補習どうだった」僕は声かけた
はにかむ君の浴衣姿は祭囃子に似合っていた
賑やかな声が響く祭の真ん中で
「部活暑かった」君は声をかけた
祭の団扇を君は帯に挟んだ
祭の賑やかさは僕らの思い出に挟まれた
かき氷だけ食べれれば幸せだった
「イチゴ味が好き」君は笑窪を見せる
「メロン味が好きなんだ」僕はいつも
お祭りで花火だけ買って帰った
花火は二人だけでしたいから
暑さも忘れていたけれど携帯は十時を表していた
「明日も朝早いの」君は僕の瞳に声をかける
僕らは電車に飛び乗って僕らの町まで帰った
いつもは無口な僕なんだけど
いつもははにかむ君だったけど
電車の中では言葉が止まらなかった
黙っている時間がとってももったいなく感じたから
「祭の夜はこれからもいつもいつまでも一緒だよ」
一本の線香花火にお互いの心と心を重ね合わせる
咲いた咲いた後でも
丸まった後でも固まった後でも
二人の気持ちが落ちませんように
ずっと
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