花火

にぎにぎ

2014年08月31日 18:22

この世に辿り着いた頃に
瞳を開けることが出来なかった
眩しさが
これ以上ない凄まじい光

眩しさにようやく慣れた頃
時めきの向こうに見えた心から
全ては始まった

Aはいつまでも眩しい日々を送り
Bは大人になるに連れて眩しさが
陰りを帯びて
Cは眩しさに慣れると直ぐに
瞳を閉じていたくなった

青年期を過ぎた頃には
あまりにも違い過ぎる人生を
歩んで来た
三人ではあったが

AもBもCも
好きではないかもしれない夜の
陰りの中に佇むことが
心憩う時になっていた

千差万別な花火は
すべて闇に消えて
落ち着く夜を取り戻す




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