2022年06月29日

ヒマワリ　木村永遠

　ヒマワリ

　　　　　　　木村　永遠

ヒマワリが
微笑み始めた頃
父は生まれた
アメリカが「独り立ち」して
人々に明るい笑いがあふれた日
父は生まれた
「独り立ち」
そのことが長男としての
父の人生訓だった
その人生訓だけは
受け継いだ気がする
僕も長男だから

独立心の強かった父ではあったが
何故か口癖は
「人に助けられて生きている」だった
「一人で生きている」との思いで
強がっていた頃の僕に
父はヤッパリ厳しかった
雨でビッショリになった子猫の様に
勉強部屋で震えていた僕には
不思議と父は優しかった

僕は健常者ばかりの仕事から
今は福祉施設で働いている
「一人では生きていけない」のではと
思う利用者さんには自然と優しく
満面の笑みで接している
それは父の自然な教えと
ヒマワリに「明るい笑いがあふれる頃」
「僕は生まれた」からだとも思う


（月刊 #MarcoPolo 7月号掲載詩
5/26完成）

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Posted by にぎにぎ at 21:05 │Comments(0) │詩│日記│こだわり│詩２０１５年１月～│おおいた・ことばあそび界│人生相談
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