2013年11月23日

それが秋

黄昏には黄色が似合う
紅が滲む
ことの葉が ものうげに
黄昏る

黄昏は赤色が似合う
黄が和む
ことの葉は もどかしく
黄昏る

汗を拭うことも無くなって
眩しさにくらくらすることも
無くなって

木々は寒さの前に
頬を染める
(緑の新鮮さは
 忘れてはいない)

俯く時は
緑から黄色になって
明日に向かうときは
真っ赤になって

(緑の新鮮さは
 忘れてはいない)

木々は寒さに向かって
立ち止まる

それが秋



  


Posted by にぎにぎ at 21:01Comments(0)詩2012年4月~

2013年11月13日

銀杏の絨毯に包まれて



銀杏の絨毯に包まれたベンチに座って
妻と僕は 詩集「女に」を読んだ後
詩人の谷川俊太郎さんと
絵描きの佐野洋子さんの熟年夫婦の関係
そう 艶かしい愛に口を綻ばせる

妻と出逢った頃も
銀杏の絨毯に包まれたベンチで
コートの襟を立てていた
木枯らしの音が聞こえているはずなのに
桜の花弁の様に
ほんのりピンクの恋人だった

幾年過ぎて今は
銀杏の絨毯に包まれたベンチに座って
時をゆっくり眺めている
「少し寒くなったね。帰ろうか」

枯れ行く冬を待っている
穏やかな眼をした僕らは
やがて 髪が真っ白になって
額に深い皺を刻む

身も心もひとつになって
凍てつく土に帰って行く




  


Posted by にぎにぎ at 21:32Comments(0)こだわり詩2012年4月~

2013年11月10日

ロックよ ありがとう

(1番)
半ズボンの頃
飛行機から降りて来たビートルズのおかっぱ頭
俺のロックの原点だ
ロックするとカッコいい
ロックすると女にもてる

詰襟の頃
耳元でシャウトしてたローリングストーンズ
俺のロックへの憧れだ
ロックするとカッコいい
ロックすると女にもてる

ロックする奴は
不良だと世間から怒られた10代の頃
俺は 罵しられ続けた
ロックする奴は ろくでもない
ロックするお前は 勘当だ

(2番)
京都に居た頃
昼間はブッダの勉強をしていた二十歳の俺
夜はクリーム肴にウイスキーコーク
ロックの夜はブッダをぶった切り
ロックの店は鼓膜が破れる位の治外法権

仕事に追わちまった頃
家族を作って家族を守ることに必死だった時
聞こえるのはジェフベックのギターの音色
ロックは魂の汗
ロックは生きてる証

世間への欲も無くなった今
昼間は墓場までの道筋を考えながら
夜はエレキを初恋の様に抱き締める
ロックは ろくでもない人生
ロックがあったから 生きて来た

俺は叫ぶぜ ろくでもない人生
俺は吠えるぜ 転がり続けてここまで来たって
のた打ちまくって ここまで来たって
ロックよ ありがとう




Theガッツ(11月9日(土)大分市カンタループⅡにて)





飛富士(11月9日(土)大分市中央通り)  


Posted by にぎにぎ at 21:30Comments(0)こだわり詩2012年4月~

2013年11月04日

石ころ


音が生まれた 声が耳に聞こえた
おそるおそる声を出してみた
世界は割れなかった
少しだけ余裕が出て来た
肩を震わせて 地平線まで届けと
喉を枯らした叫んだ


石が生まれた 石を集めた並べた
目印にした 並べた石に声の意味を載せた
文字をつくった


ことば が うきあがった
ことば を 駆使した人は
ことば を 裏切った
ことば を 文字にしたら
どうしようもなくなった


ことば は つくらない方がいい
ことば を 紡ぐ
ことば を 編む
がんじがらめに絡まった文字を
真っ赤に染まった糸を
なんとか解きたいと・・・

意図を見失う前に





写真は、11月4日(月)に行った
大分県竹田市の街並み。  


Posted by にぎにぎ at 21:54Comments(0)日記こだわり詩2012年4月~

2013年11月02日

おいなり から チュー

彼女が来たよ
僕の膝に
彼女に逢えたよ
やっと僕の膝で

茶色かな
黄色かな
きつね色だよ
ビール色だね

ちっちゃいけど
がんばってた
おいなり にしたよ名前

愛する猫
おいなり
見つめられると
おーだめ!

おいなり が
突然 おー!いない
そっと 外に

あきらめていたら
あきれていたら
ひょこっと
帰って来たよ

「にゃー」(高い声)
『おだまり』(低い声)

うわ瞳つかいの
おいなり から チュー