2021年03月06日

東日本大震災から十年

　十年

　　　　　　　木村永遠

十年前の三月十一日
東は激しく揺れて
大きな波が陸を静かに襲った

十年前の三月十一日
西では
ある高校の生徒たちが
そんなことも知らず
大分川の土手を走っていた

春休み
一緒に走ることも出来ない位
悩んでいたクラスメートが
いつのまにか居無くなったのに
そんなことも知らず
部活やバイトに汗を流していた

始業式
たったひとり居無くなった
だけでも
「何で？」と
私に問い続けていた高校生たち

東日本大震災で亡くなったり
行方がわからなくなった人々は
二万二千人余りも
誰も「何で？」と問うことは無い

建物はまた造れば良いが
人は亡くなったなら
どうにも出来ない

十年前
ひとりの
退学したいという大変な考えを
思い直させることが出来なかった私は
故意でも自然でも絶対に
ひとりも悲しまない世界に
なります様にと
祈るばかりだ

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Posted by にぎにぎ at 17:09 │Comments(0) │詩│日記│こだわり│詩２０１５年１月～│おおいた・ことばあそび界│人生相談
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