2013年10月15日

何を探しているの

何を探しているの
この世に生まれた時から
自分は自分であって自分は自分でしかないから
他者ではないから親や兄弟でも絶対ないから
自分の体は大きくなったり太ったり痩せたり
血が飛び散ったり皺を刻んだりしたけど
自分の心は考えは自分しか解らない
他者の心や考えも絶対に解らない

何処を探しているの
鱗雲の向こうには何があるの
何かがあると思って
一気に空に向かって飛んでみたけど
寂しい愛は濃いから自分は恋をする位しか解らない
水平線の向こうにも何かがあるの
何かかがあると思って
一気に貨物船の先まで泳いでみたけど
海が産んだから自分はここにいる位しか解らない

何処を探しているの
自分の中を探すときは技術やら道具は必要ないから
スーツでも作業着であっても
パジャマでパソコンを打っているときでも
自分の考えが複雑に絡まっているときでさえも
不変な大きな束の中でのことだから

誰が探しているの
心は空間を超えて時間を超えて
ことばを探しているの
ことばを何時探しているの
生活しているとき本を読んでいるとき
自分の心の中の揺れを感じているときに
自分を落ち着かせる言葉や
自分を奮い立たせる言葉を探しているの

こんな風に「自分は誰なんだろう」と
いつも不思議に思って
苦しくてたまらなくなることが度々だけど
自分が自分にしかなれないことに
実は安堵している



  


Posted by にぎにぎ at 21:36Comments(0)日記こだわり詩2012年4月~