2015年07月31日
誕生日プレゼント(叫びたい詩のNO1)
みなさんの真心、どうもありがとうございました。
みなさん!愛してマース♡
8月6日の湯布院
8月29日19:00~の「大分市の中心で愛を叫ぶ」で、
叫びたい!?詩。
小詩集
「平和の中で生きていたい」
長崎が一番熱くて
一番涙した日
紫陽花の願い
滑走路
雲間に消えて行った若者を忘れない
誕生日
小詩集
「平和の中で生きていたい」
は、ご来場のみなさまに、
無論、無料で、差し上げます。
詩を読んでもらいたい「構ってちゃん」です。
尚、
8月29日19:00~の「大分市の中心で愛を叫ぶ」は、
無料です。
お問い合わせは、
にぎにぎ(木村永遠)
niginigi4649nagato@yahoo.co.jpまで、お気軽にどうぞ。
みなさん!愛してマース♡
8月6日の湯布院
8月29日19:00~の「大分市の中心で愛を叫ぶ」で、
叫びたい!?詩。
小詩集
「平和の中で生きていたい」
長崎が一番熱くて
一番涙した日
紫陽花の願い
滑走路
雲間に消えて行った若者を忘れない
誕生日
小詩集
「平和の中で生きていたい」
は、ご来場のみなさまに、
無論、無料で、差し上げます。
詩を読んでもらいたい「構ってちゃん」です。
尚、
8月29日19:00~の「大分市の中心で愛を叫ぶ」は、
無料です。
お問い合わせは、
にぎにぎ(木村永遠)
niginigi4649nagato@yahoo.co.jpまで、お気軽にどうぞ。

2015年07月29日
ずっと平和
七十年前オキナワ・トウキョウ
ヒロシマ・ナガサキ・・・
数えきれない死の前で心が立竦くんだ
真っ白な制服に皺が寄るのを
嫌がっていた母の兄でさえ言っていた
「長崎の原爆で亡くなった
長兄の骨らしきものを拾った時でさえ
涙が出なかった
戦争は悲しみさえも凍らせる」と
世界には多数の国があって
何十億もの人がいて
何十億通りもの心がある
その心心心・・・が
真に求めていることはずっと平和
これから平和だと信じ続けます

2015年07月27日
あの夏の日
東京っていうと
有栖川宮公園です
昭和30年代は穏やかだったけど
貧乏だった
有栖川宮公園の近くに住んだ
はじめての東京 5歳の頃
昭和30年代は貧乏だったけど
楽しかった
ものごころついてから
恥ずかしさばかり
内にこもることなく
遊んでいたあの日だまり
日だまりに飽きて
涼む日蔭で
昭和30年代の夏休みは遊び転げまわって
お腹がいつもグーグー鳴っていた
3時のおやつは母が作ってくれた
砂糖をまぶして揚げたパンの耳
真っ黒な油が苦かった
小麦粉が眩しかったドーナッツだった
あの夏の日 幼稚な感傷を抱いて
夕焼けに染まる前に 帰ったバラックの家
有栖川宮公園です
昭和30年代は穏やかだったけど
貧乏だった
有栖川宮公園の近くに住んだ
はじめての東京 5歳の頃
昭和30年代は貧乏だったけど
楽しかった
ものごころついてから
恥ずかしさばかり
内にこもることなく
遊んでいたあの日だまり
日だまりに飽きて
涼む日蔭で
昭和30年代の夏休みは遊び転げまわって
お腹がいつもグーグー鳴っていた
3時のおやつは母が作ってくれた
砂糖をまぶして揚げたパンの耳
真っ黒な油が苦かった
小麦粉が眩しかったドーナッツだった
あの夏の日 幼稚な感傷を抱いて
夕焼けに染まる前に 帰ったバラックの家

2015年07月25日
あっこ
ボールを追いかけるのは
選手だけでは ないよ
スコアーブックを 付けて
ユニフォームを 洗って
チームを見詰め続けた 君が
十八歳になる ほんのわずか前に
いなくなって しまった
二年生になった君は
体が そして顔もが 小さくなった
だけど チームを見詰める瞳は
大丈夫だった時より つぶらだった
君が 十六歳の夏
ボールを追いかける みんなは
甲子園に 行った
君は 病院で みんなの活躍を祈った
みんなも あっこ に
がんばることを 約束した
三年生になった君は
十七歳の夏に 病院での治療を止めた
思いの丈(命)を
精一杯の声を みんなに響かせよう!
マスクを外して・・・だけどチームは負けた
キャプテンは
「あっこ に すまない」と涙した
高校生活最後の二学期
職員室の片隅で 顔一杯のマスクをした
あっこ の か細い背中が
静かに本を読んでいた
忘れられない(もう帰って来ない)
日々の感情に左右されて
自分の利益ばかりを追っている 僕らは
あっこ の つぶらな瞳に
いつも 見詰められていたのに
何で 気づかなかったんだろう?
僕らは命の尊さを たまらなく噛み締めて
桜がやっと蕾になった頃 卒業する

2015年07月24日
無力無善寺にて
無力ではない
無欲でもない
欲望が を
赤裸々に発っしただけ
発っした言葉が
迷惑を掛けるわけでもない
裸々裸々裸々々
自然だった
こころが叫ぶんだ
あなたに向かって
ことばでは表せない
自分に向かって
ささやかなことが溜まって
裸々裸々裸々々
自然だった
感情のバケツが
一杯になったから
魂が何千度にも
熱くなったから
噴出したんだ
裸々裸々裸々々
自然だった
意味はない
意味を見詰めない
溜まった喜び悲しみ
おかしくておかしくて
裸々裸々裸々々
絶叫絶頂最高
ライブハウス「無力無善寺」HP
http://homepage2.nifty.com/muzenji/index2.html
無欲でもない
欲望が を
赤裸々に発っしただけ
発っした言葉が
迷惑を掛けるわけでもない
裸々裸々裸々々
自然だった
こころが叫ぶんだ
あなたに向かって
ことばでは表せない
自分に向かって
ささやかなことが溜まって
裸々裸々裸々々
自然だった
感情のバケツが
一杯になったから
魂が何千度にも
熱くなったから
噴出したんだ
裸々裸々裸々々
自然だった
意味はない
意味を見詰めない
溜まった喜び悲しみ
おかしくておかしくて
裸々裸々裸々々
絶叫絶頂最高
ライブハウス「無力無善寺」HP
http://homepage2.nifty.com/muzenji/index2.html

2015年07月20日
第2回「おおいた詩部」
8月6日(木)
20:00開演!
朗読、弾き語り、その他
料金1500円1ドリンク付き(定員15名)
(持ち時間5分の飛び入りで、料金1000円になります)
予約はtokikirakira@gmail.com までお願いします。
満員になりましたら、ブログ、ツイッターでお知らせします。
定員数に余裕があれば同じくお知らせします。気軽にお越しください。
場所:BAR O living
大分県由布市湯布院町川上3049-8 立花ビル1F
開場19時30分/開演20時
出演
大島健夫(千葉)
にしやまひろかず
千葉まほ
木村永遠(にぎにぎ)
咲夜
霙
ご予約は、
木村永遠niginigi4649@yahoo.co.jpでも、
受け付けてます。
ぼくに!の方が、わかりやすいですから!?
20:00開演!
朗読、弾き語り、その他
料金1500円1ドリンク付き(定員15名)
(持ち時間5分の飛び入りで、料金1000円になります)
予約はtokikirakira@gmail.com までお願いします。
満員になりましたら、ブログ、ツイッターでお知らせします。
定員数に余裕があれば同じくお知らせします。気軽にお越しください。
場所:BAR O living
大分県由布市湯布院町川上3049-8 立花ビル1F
開場19時30分/開演20時
出演
大島健夫(千葉)
にしやまひろかず
千葉まほ
木村永遠(にぎにぎ)
咲夜
霙
ご予約は、
木村永遠niginigi4649@yahoo.co.jpでも、
受け付けてます。
ぼくに!の方が、わかりやすいですから!?

2015年07月20日
「火花」結文
「火花」又吉直樹
神谷さんの言葉を無視して、ジャマイカの英雄はエビジン
ゴノビーオーライと世界に向かって唄い続けている。神谷さ
んは、窓の外から僕に向かって、「おい、とんでもない漫才
思いついたぞ」と言って、全裸のまま垂直に何度も飛び跳ね
美しい乳房を揺らし続けている。
〈了〉
又吉さん♪芥川賞、おめでとうございます。
芸能人だとゴーストが書いた?と思われますか?
火花を書くまでの読書好きな又吉さんの風景を見ていたら、
自分で書いたんですね。
評者は「最後の下りは要らない」と言っていた。
ぼくはこの気味が悪い悲しみで、
火花は、青白く光っていると思ってます。
芥川賞ですか?
直木賞が対象としている「おもろい物語」だとも、
思います。
そして、
漫才師にはならない方がいい。
神谷さんの言葉を無視して、ジャマイカの英雄はエビジン
ゴノビーオーライと世界に向かって唄い続けている。神谷さ
んは、窓の外から僕に向かって、「おい、とんでもない漫才
思いついたぞ」と言って、全裸のまま垂直に何度も飛び跳ね
美しい乳房を揺らし続けている。
〈了〉
又吉さん♪芥川賞、おめでとうございます。
芸能人だとゴーストが書いた?と思われますか?
火花を書くまでの読書好きな又吉さんの風景を見ていたら、
自分で書いたんですね。
評者は「最後の下りは要らない」と言っていた。
ぼくはこの気味が悪い悲しみで、
火花は、青白く光っていると思ってます。
芥川賞ですか?
直木賞が対象としている「おもろい物語」だとも、
思います。
そして、
漫才師にはならない方がいい。

2015年07月17日
滑走路
毎年お盆に
妻の実家の宇佐市上乙女に
向かって走る車は
スピードを落とさないと
今にも飛び上がりそうになる
宇佐海軍航空隊・特別攻撃隊
昭和二十年四月六日・四月十二日・
四月十六日・四月二八日・
五月四日と五回もの出撃
八一機・一五四名もの
尊い命が木端微塵
千八百メートルも続く
真っ直ぐさは
飛行機乗りの心を
如何に操縦していたのだろうか
瀬戸内型の穏やかな気候に包まれて
神からも守られている此の土地に
およそ七十年前には
取り返すことの出来ない
やるせなさがあったとは
海軍の真っ白な制服が誇らしげだった
母の兄でさえ
米寿を迎えた席で言っていた
「長崎の原爆で亡くなった
長兄の骨らしきものを拾った時でさえ
涙が出なかった
戦争は悲しみさえも凍らせる」と
掩体壕を左右に見ながら
滑走路を左に曲がって
一式陸上攻撃機の誘導路を
走り切った
ほっとした心に
妻の実家が見えて来る
妻の実家の宇佐市上乙女に
向かって走る車は
スピードを落とさないと
今にも飛び上がりそうになる
宇佐海軍航空隊・特別攻撃隊
昭和二十年四月六日・四月十二日・
四月十六日・四月二八日・
五月四日と五回もの出撃
八一機・一五四名もの
尊い命が木端微塵
千八百メートルも続く
真っ直ぐさは
飛行機乗りの心を
如何に操縦していたのだろうか
瀬戸内型の穏やかな気候に包まれて
神からも守られている此の土地に
およそ七十年前には
取り返すことの出来ない
やるせなさがあったとは
海軍の真っ白な制服が誇らしげだった
母の兄でさえ
米寿を迎えた席で言っていた
「長崎の原爆で亡くなった
長兄の骨らしきものを拾った時でさえ
涙が出なかった
戦争は悲しみさえも凍らせる」と
掩体壕を左右に見ながら
滑走路を左に曲がって
一式陸上攻撃機の誘導路を
走り切った
ほっとした心に
妻の実家が見えて来る

2015年07月07日
第二回大分ポエトリー(オープンマイク)
大分市の中心で、愛♡を叫ぶ!?
8月最後の土曜日、
8月29日(土)、オープンマイクイベント
『第二回大分ポエトリー』を大分市中心部でやります!【入場無料!】
4月に開催された第一回大分ポエトリーin城址公園(お花見朗読会)から、
早4ヶ月、いよいよ、第二回大分ポエトリーの開催が決定しました。
入場無料なので、気軽に来てね!
【日時】8月29日(土)19:00~21:00
【場所】大分市中央町2-2-10二八堂ビル2F 二八堂ギャラリー
※大分駅から徒歩6分、若草公園前、トキハインダストリー(旧サティ)前、
ベスト電器の横、立ち飲みワインbar『蔵』の横です。
詩、小説、俳句、短歌、川柳などの朗読。
一人芝居、音楽、弾き語り、ゴスペル、民謡、ダンス。
三味線、尺八、バイオリン。
漫才、コント、落語、漫談。
青年の主張、狂人の主張、ニートの言い分、思想の押し付け、独り言。
とにかく何でもOK。
事前エントリー者の持ち時間は10分。
当日エントリー者は5分になります。
何かやる人も見るだけの人も全員無料です!
事前エントリー者も募集してます。
締め切り:8月20日まで。
下記メールアドレスに、出し物(表現内容)、
お名前(芸名・ペンネーム可)を記載し、お申し込みを。
事前エントリー者は、メールが届いた都度、順次、
下記facebookページで、お名前と表現内容を知らせしていきます。
事前エントリー申し込み先&予約&問い合わせ先。
おおいた・ことばあそび界代表・にぎにぎ
メール:niginigi4649nagato@yahoo.co.jp
8月最後の土曜日は『大分ポエトリー』で楽しもう!
色々なジャンルのものが一斉に楽しめるから、
ただ見るだけでも楽しいイベントになると思います。
4月は9人でしたが、今回は何人になるか、今から楽しみです。
県内外から多数の方の来場お待ちしております!
よろしくお願いします!
詳細は下記ページにて。
おおいた・ことばあそび界ページ
事務局長のブログをパクってすみません。
決して?オボチャンでは、ありません。
君の心をグッと!握りたーイイ♡
「にぎにぎ」デースス??
8月最後の土曜日、
8月29日(土)、オープンマイクイベント
『第二回大分ポエトリー』を大分市中心部でやります!【入場無料!】
4月に開催された第一回大分ポエトリーin城址公園(お花見朗読会)から、
早4ヶ月、いよいよ、第二回大分ポエトリーの開催が決定しました。
入場無料なので、気軽に来てね!
【日時】8月29日(土)19:00~21:00
【場所】大分市中央町2-2-10二八堂ビル2F 二八堂ギャラリー
※大分駅から徒歩6分、若草公園前、トキハインダストリー(旧サティ)前、
ベスト電器の横、立ち飲みワインbar『蔵』の横です。
詩、小説、俳句、短歌、川柳などの朗読。
一人芝居、音楽、弾き語り、ゴスペル、民謡、ダンス。
三味線、尺八、バイオリン。
漫才、コント、落語、漫談。
青年の主張、狂人の主張、ニートの言い分、思想の押し付け、独り言。
とにかく何でもOK。
事前エントリー者の持ち時間は10分。
当日エントリー者は5分になります。
何かやる人も見るだけの人も全員無料です!
事前エントリー者も募集してます。
締め切り:8月20日まで。
下記メールアドレスに、出し物(表現内容)、
お名前(芸名・ペンネーム可)を記載し、お申し込みを。
事前エントリー者は、メールが届いた都度、順次、
下記facebookページで、お名前と表現内容を知らせしていきます。
事前エントリー申し込み先&予約&問い合わせ先。
おおいた・ことばあそび界代表・にぎにぎ
メール:niginigi4649nagato@yahoo.co.jp
8月最後の土曜日は『大分ポエトリー』で楽しもう!
色々なジャンルのものが一斉に楽しめるから、
ただ見るだけでも楽しいイベントになると思います。
4月は9人でしたが、今回は何人になるか、今から楽しみです。
県内外から多数の方の来場お待ちしております!
よろしくお願いします!
詳細は下記ページにて。
おおいた・ことばあそび界ページ
事務局長のブログをパクってすみません。
決して?オボチャンでは、ありません。
君の心をグッと!握りたーイイ♡
「にぎにぎ」デースス??

2015年07月05日
高田渡のように
生活の柄
詩;山之口獏
歩き疲れては
夜空と陸との 隙間にもぐりこんで
草に埋れては 寝たのです
所かまわず寝たのです
歩き 疲れては 草に埋れて寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです
このごろは眠れない 陸をひいては眠れない
夜空の下では眠れない
ゆり起されては眠れない
歩き 疲れては 草に埋れて 寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです
そんな僕の生活の柄が
夏向きなのでしょうか
寝たかと思うと 寝たかと思うと
またも冷気にからかわれて
秋は 秋からは 浮浪者のままでは眠れない
秋は 秋からは 浮浪者のままでは眠れない
歩き疲れては
夜空と陸との 隙間にもぐりこんで
草に埋れては 寝たのです
所かまわず寝たのです
さびしいと いま
詩;石原吉郎
さびしいと いま
いったろう ひげだらけの
その土塀にぴったり
おしつけたその背の
その すぐうしろで
さびしいと いまいったろう
そこだけが けものの
腹のようにあたたかく
手ばなしの影ばかりが
せつなくおりかさなって
いるあたりで
背なかあわせの 奇妙な
にくしみのあいだで
たしかに さびしいと
いったやつがいて
たしかに それを
聞いたやつがいるのだ
いった口と
聞いた耳とのあいだで
おもいもかけぬ
フタがもちあがり
冗談のように あつい湯が
ふきこぼれる
あわててとびのくのは
土塀やおれの勝手だが
たしかに さびしいと いったやつがいて
たしかに さびしいと いったやつがいて
たしかに それを
聞いたやつがいる以上
あのしいの木も とちの木も
日ぐれも みずうみも
そっくりオレのものだ
夕暮れ
詩;黒田三郎
夕暮れの町で
ボクは見る
自分の場所から はみ出てしまった
多くのひとびとを
夕暮れのビヤホールで
ひとり 一杯の
ジョッキーを まえに
斜めに 座る
その目が この世の誰とも
交わらない ところを
えらぶ そうやって たかだか
三十分か一時間
雪の降りしきる夕暮れ
ひとり パチンコ屋で
流行歌の中で
遠い昔の中と
その日は厚板ガラスの向こうの
銀の月を追いかける
そうやって たかだか
三十分か一時間
たそがれが その日の夕暮れがと
折り重なるほんのひととき
そうやって たかだか 三十分か一時間
夕暮れの町で
ボクは見る
自分の場所から はみ出てしまった
多くのひとびとを
詩;山之口獏
歩き疲れては
夜空と陸との 隙間にもぐりこんで
草に埋れては 寝たのです
所かまわず寝たのです
歩き 疲れては 草に埋れて寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです
このごろは眠れない 陸をひいては眠れない
夜空の下では眠れない
ゆり起されては眠れない
歩き 疲れては 草に埋れて 寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが 眠れないのです
そんな僕の生活の柄が
夏向きなのでしょうか
寝たかと思うと 寝たかと思うと
またも冷気にからかわれて
秋は 秋からは 浮浪者のままでは眠れない
秋は 秋からは 浮浪者のままでは眠れない
歩き疲れては
夜空と陸との 隙間にもぐりこんで
草に埋れては 寝たのです
所かまわず寝たのです
さびしいと いま
詩;石原吉郎
さびしいと いま
いったろう ひげだらけの
その土塀にぴったり
おしつけたその背の
その すぐうしろで
さびしいと いまいったろう
そこだけが けものの
腹のようにあたたかく
手ばなしの影ばかりが
せつなくおりかさなって
いるあたりで
背なかあわせの 奇妙な
にくしみのあいだで
たしかに さびしいと
いったやつがいて
たしかに それを
聞いたやつがいるのだ
いった口と
聞いた耳とのあいだで
おもいもかけぬ
フタがもちあがり
冗談のように あつい湯が
ふきこぼれる
あわててとびのくのは
土塀やおれの勝手だが
たしかに さびしいと いったやつがいて
たしかに さびしいと いったやつがいて
たしかに それを
聞いたやつがいる以上
あのしいの木も とちの木も
日ぐれも みずうみも
そっくりオレのものだ
夕暮れ
詩;黒田三郎
夕暮れの町で
ボクは見る
自分の場所から はみ出てしまった
多くのひとびとを
夕暮れのビヤホールで
ひとり 一杯の
ジョッキーを まえに
斜めに 座る
その目が この世の誰とも
交わらない ところを
えらぶ そうやって たかだか
三十分か一時間
雪の降りしきる夕暮れ
ひとり パチンコ屋で
流行歌の中で
遠い昔の中と
その日は厚板ガラスの向こうの
銀の月を追いかける
そうやって たかだか
三十分か一時間
たそがれが その日の夕暮れがと
折り重なるほんのひととき
そうやって たかだか 三十分か一時間
夕暮れの町で
ボクは見る
自分の場所から はみ出てしまった
多くのひとびとを
