2017年10月19日

秋桜

 秋桜

             木村永遠

流れるものは汗から雨に変わって
「寒くなった」肩をすぼめて歩いていたら
細い首に満面の笑顔を載せている
秋桜のピンクの頬が迎えてくれた

雨の間から少し覗く太陽に向かって
「背伸びをしたい」乙女の純粋さで
逞しく立ち続けている
秋桜には黄色い顔もよく似合う

乾いていた気持ちは寂しさに濡れて
「友に逢う勇気がない」心さえすぼめていたら
ピンクも黄色も赤も白もチョコレート色も
秋桜は十人十色だけど仲が良い

友でさえも異なる顔や性格であったとしても
「仲良くしたい」心を開いたら
知らず知らずの内に
秋桜のお互いを思う気持ちと同じになっていた