2009年10月23日

母の『奈良漬』(大分合同新聞投稿)

母は七十の齢(よわい)を過ぎても、お中元は手作りの『奈良漬』です。
僕が贈るお中元まで、母の『奈良漬』です。
母は『奈良漬』のために六月から瓜を捜して、塩にもこだわります。

父が亡くなって二年経ちました。
僕は母に言いました。
「この家(うち)は段差が多くて、冬はとても寒くて年寄り向きじゃないな。
 この家から僕の家に来たらどう?
 親父の建てた家に、こだわらなくてもいいんじゃないの?」
『そんなこと言っても、にぎにぎ!お父さんが建てた家(いえ)を守りたいんよ!
 お父さんとの思い出を大切にしたいんよ!』
お母さん 六月になりました。
そろそろ『奈良漬』の瓜を捜しに行きますか?
お母さん 七月になったら、今年も僕が贈るお中元もお願いします。
お母さん 今年は僕も『奈良漬』作りを手伝いますよ。
母が父への気持ちを、酒かすに込めるように。
僕も母への気持ちを、酒かすに込めさせて頂きます。
 
「お母さん 本当にありがとう」  
「お母さんいつまでも元気で一生懸命にね」 

母の『奈良漬』(大分合同新聞投稿)



同じカテゴリー()の記事画像
詩「35のピース」(3月11日。東日本大震災きょう13年)
大在地区に住んでいるからこそ「大在東小学校」の校歌の作詞者になれました。
大分市立大在東小学校の校歌の歌詞を掲げる
「大分市立大在東小学校」校歌  作詞 木村永遠 大在の子どもたち 作曲 中堀賢機
卒業したみなさんへ(詩3月3日)
竜の様に
「暁雲福祉会」のカレンダー
大分市立「大在東小学校」の校章及び校歌が決定しました。
給食に・・・
魂が宿る木
同じカテゴリー()の記事
 92歳の母の喜ぶ顔 (2024-03-14 22:03)
 詩「35のピース」(3月11日。東日本大震災きょう13年) (2024-03-11 13:57)
 大在地区に住んでいるからこそ「大在東小学校」の校歌の作詞者になれました。 (2024-03-10 10:23)
 大分市立大在東小学校の校歌の歌詞を掲げる (2024-03-09 21:42)
 「大分市立大在東小学校」校歌  作詞 木村永遠 大在の子どもたち 作曲 中堀賢機 (2024-03-08 22:05)
 卒業したみなさんへ(詩3月3日) (2024-03-03 21:43)
 竜の様に (2024-01-31 21:51)
 「暁雲福祉会」のカレンダー (2023-12-05 22:20)
 大分市立「大在東小学校」の校章及び校歌が決定しました。 (2023-11-29 22:48)
 給食に・・・ (2023-11-27 21:52)

Posted by にぎにぎ at 20:09│Comments(4)
この記事へのコメント
そこには愛が ありますねっ

心が暖かくなりました
とても良いお話を

ありがとうございます

奈良漬け 私 好きです

お母様のお父上様を想う愛とにぎにぎさんのお母様への愛を感じる 素晴らしい気持ちが 伝わってきます

お母様はお父上様に愛されて いたのでしょうね

幸せを分けて頂いた様で私まで幸せになりました
Posted by 美砂リン at 2009年10月23日 21:56
お父さんも食べたであろう奈良漬。

とても大切なものなんでしょうね。
Posted by もんじゅ at 2009年10月24日 01:29
美砂リンさん、ありがとうございます☆
今は暖かい家庭の象徴が奈良漬ですが、
それまでには色々ありました。
美砂リンさん!お気に入りに登録させて頂きました。
事後承諾で、すみません。。。
Posted by にぎにぎにぎにぎ at 2009年10月24日 16:32
もんじゅさん、コメントありがとうございます。
奈良漬が1番の母親の味です。
みなさん、美味しいと言ってくれてます。
Posted by にぎにぎにぎにぎ at 2009年10月24日 16:33
※会員のみコメントを受け付けております、ログインが必要です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。