2016年09月23日
お墓参り
学校前
木村永遠
「学校前に行く」
母方の祖父と祖母の家に行く
合図だった
母は
小学校から
ほんの前の家で
生まれ育った
佐賀県杵島郡福富村
干潟の出口から始まる川の近く
六角橋を越えた後に
浮かび上がる
学校前の家の優しさ
佐賀県杵島郡福富村
蓮根と蟹漬け(がんつけ)と
スボタク(藁すぼ)とシャッパ(蝦蛄)が
美味しいところ
ムツゴロウが泥だらけで可愛いところ
佐賀県杵島郡福富村
甘いお米が出来過ぎる位のところ
田んぼに水を引き過ぎたためか
平坦な道を
真っ直ぐに進んでいるだけなのに
車は微妙に揺れる
佐賀県杵島郡福富村
餅すすりが有名なところ
同じ村で育った父は
つき立ての餅の端っこに醤油だけつけて
一気にすすって
あっという間に飲み込んだ
学校前の家で
祖父は
庭に面した窓から降り注ぐ
淡い日差しを頼りに
長男が書いた葉隠れの研究を
ゆっくりと読んでいた
祖父は
東京物語の
笠智衆さんのような雰囲気だった
祖母は何故か父が苦手だった
若い頃の父は
黄色い歯をニヤリとさせて
煙草をくゆらし
砂利道を大きなバイクで走っていた
祖母は三〇二号室のベッドの上で
僕を父と間違えて
「えすか(恐ろしい)」と怯えた
学校前の家の庭には
長崎医科大の学生だった長男の
供養塔があった
手を合わせて黙る祖父と祖母は
原爆投下に責任を感じているようにも
思えた
「東京は何時空襲があるかわからない」
長崎に行かせたことを
長男に詫び続けた
顔立ちの似た孫の私に
長男の思い出をよく話してくれた
「学校前に行く」
母方の祖父と祖母の家に行く合図だった
はず
学校前の家は
ずいぶん前に取り壊された
供養塔と桜の木だけは
未だに残っている
今年の春が来るほんの前に
祖父と祖母の十三回忌が営まれる

木村永遠
「学校前に行く」
母方の祖父と祖母の家に行く
合図だった
母は
小学校から
ほんの前の家で
生まれ育った
佐賀県杵島郡福富村
干潟の出口から始まる川の近く
六角橋を越えた後に
浮かび上がる
学校前の家の優しさ
佐賀県杵島郡福富村
蓮根と蟹漬け(がんつけ)と
スボタク(藁すぼ)とシャッパ(蝦蛄)が
美味しいところ
ムツゴロウが泥だらけで可愛いところ
佐賀県杵島郡福富村
甘いお米が出来過ぎる位のところ
田んぼに水を引き過ぎたためか
平坦な道を
真っ直ぐに進んでいるだけなのに
車は微妙に揺れる
佐賀県杵島郡福富村
餅すすりが有名なところ
同じ村で育った父は
つき立ての餅の端っこに醤油だけつけて
一気にすすって
あっという間に飲み込んだ
学校前の家で
祖父は
庭に面した窓から降り注ぐ
淡い日差しを頼りに
長男が書いた葉隠れの研究を
ゆっくりと読んでいた
祖父は
東京物語の
笠智衆さんのような雰囲気だった
祖母は何故か父が苦手だった
若い頃の父は
黄色い歯をニヤリとさせて
煙草をくゆらし
砂利道を大きなバイクで走っていた
祖母は三〇二号室のベッドの上で
僕を父と間違えて
「えすか(恐ろしい)」と怯えた
学校前の家の庭には
長崎医科大の学生だった長男の
供養塔があった
手を合わせて黙る祖父と祖母は
原爆投下に責任を感じているようにも
思えた
「東京は何時空襲があるかわからない」
長崎に行かせたことを
長男に詫び続けた
顔立ちの似た孫の私に
長男の思い出をよく話してくれた
「学校前に行く」
母方の祖父と祖母の家に行く合図だった
はず
学校前の家は
ずいぶん前に取り壊された
供養塔と桜の木だけは
未だに残っている
今年の春が来るほんの前に
祖父と祖母の十三回忌が営まれる
拡散希望!「大分市立大在東小学校の校歌差替え事件」
阿呆鳥の末路「にぎにぎ」ポエトリーリーディング
【竹田よしみ会】入会
公立小中校歌の手本(地域の特色を入れて唯一無二の校歌に)
猫はライオンになる
大分県弁護士会人権擁護委員会の裁定待ち
大分市教委学校施設課から取下げ書提出の強要
大分市立大在東小学校の子どもたち保護者のみなさんへ
024. 9 .29朗読会「ことばよ!」
仲良くしてね
阿呆鳥の末路「にぎにぎ」ポエトリーリーディング
【竹田よしみ会】入会
公立小中校歌の手本(地域の特色を入れて唯一無二の校歌に)
猫はライオンになる
大分県弁護士会人権擁護委員会の裁定待ち
大分市教委学校施設課から取下げ書提出の強要
大分市立大在東小学校の子どもたち保護者のみなさんへ
024. 9 .29朗読会「ことばよ!」
仲良くしてね
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