2016年09月16日

風船唐綿

 風船唐綿

           木村永遠

ふうせんとうわたが
急に真ん中からパカッと真っ二つ
風船が瞬く間に破けた

飛び出した綿の無垢さは
タンポポの愛しさに思えて
タンポポの様な綿毛は戸惑いながら
お空に向かって舞い上がる

ふわふわがぷかぷかゆらゆら
天使のような小っちゃな羽を
精一杯広げて

ふわふわがぷかぷかゆらゆら
お空の大きな瞳の中に写りたいから
精一杯舞い上がる

南アフリカから
どれ位の年月を重ねて
日本にやって来たの
風船唐綿さん

眩しい日も嵐の日も凍える日も乗り越えて
優しさをふわふわさせて
南アフリカからやって来てくれた
風船唐綿さん

日本の西の西のこのお家を
「綿毛に包まれたなら幸せになれるよ」
優しさですべてを包むために訪ねてくれた
そうだよね風船唐綿さん

(僕はこの詩で、
2014大分合同新聞「詩」年間賞を、
 頂いたと思っています。
 選者の長谷目源太先生に、
 一番褒められた詩です)

今日は、
白内障の手術後のメンテナンスに行って、
CDの整理などを、しました。