2013年02月21日

去っていくあなたへ

ここにはいつも
あなたの瞳と真心と思いやりがあった

あなたはここをやめるのだけれど
あなたにここで出逢ったことを
ぼくらはずっと忘れない

あなたとぼくらには
かけがえのない思い出が輝いている

 桜が満開の下で
 ネクタイ姿がぎこちない新入生を迎えた
 あの日

 汗を拭うのさえ忘れていた中学生に
 わたしたちの技術と情熱を伝えた
 あの日

 土ぼこりにまみれながらも
 熱き血潮をみなぎらせた子どもたちに
 がんばれ!と喉がつぶれる位まで応援した
 あの日

 時間がないからいいものが作れないと思ったけれど
 子どもたちの直向きさにずっと付き合って
 星の瞬きに向かって背伸びした
 あの日

 寒さに縮こまっていた日々を
 我慢した後
 桜を迎える前に大人の蕾を送り出した
 あの日

去っていくあなたと
もっともっとぼくらは
真心について話していたかった

あなたはここをやめるのだけれど
あなたと今までのように同じ空間の中での付き合いは
なくなったとしても

あなたとぼくらとの
かけがえのない日々を
これからもぼくらは
「ありがとう」と喉がつぶれる位に抱きしめていたい



  


Posted by にぎにぎ at 23:47Comments(0)詩2012年4月~