2012年07月03日

君と過ごした海

真昼の海で
顔が濡れることを嫌う君に向かって
僕はわざと波をバシャバシャさせた
水滴だらけの君の顔は
プーット膨れていた
「もう嫌い」
水滴が涙に見えた
『ごめんな』
僕は気持ち一杯謝った後
頭を海に潜らせた

昼間の喧騒は何処に行ったのだろう
真夜中の砂浜で
お互いの優しさを感じた僕らは
見上げた空に煌めく星に
「このときがずっと続きますように」

お互い瞳を交わしただけで
十分だった
相手の気持ちを肌で感じて
「この人をずっと大切にしよう」
微笑む星に約束した


  


Posted by にぎにぎ at 19:29Comments(0)詩2012年4月~

2012年07月03日

さびしき本当の自分

ぼくは誰なのか
ぼくは君ではないしぼくは奴でもない
ぼくはぼくの心はどんな風なのか
ぼくの心は君の無邪気さでもないし奴の意地悪さでもない

ぼくは世間体のために生活するためのお金を稼ぐために
自分を忘れている
不器用でどうしようもなくセンチメンタリズムな
自分を忘れている
このまま身を削って誰にも理解されずに
狭い料簡の中で埋もれていく

募る感情だけがぼくの生きている証なのに

ぼくはもう現実に嫌気がさしているんだ
ぼくはぼくの思考のままに
ぼくを生きていきたいんだ

駅ビルの片隅で
闇を枕に体をくの字にして眠るぼくが
さびしき本当の自分なんだ
  


Posted by にぎにぎ at 02:05Comments(0)詩2012年4月~