2016年09月30日

おいなり が 亡くなって 1年

おいなり が 亡くなって
もうすぐ 1年になる。

 おいなり は もーいない

         木村永遠

きみは暑さの残る9月1日
外から そっと やって来て
ぼくの膝に ちょこんと乗った
驚くぼくの顔を見つめるまんまるな瞳
暑さは どこかに吹っ飛んで行った
おいなり
きつね色をしているから妻が名付けた

ねこ嫌いだったぼくだったが
妻が家に入れた 白と黒のねこ
おにぎりから ねこが好きになった

おいなり
きみと共に過ごした2年と1ヶ月で
ぼくはもっと ねこが好きになった

おいなり
ぼくが仕事から帰るとまとわりついて
ぼくの顔をまじまじとまんまるな瞳で見つめて
かん高いけど小っちゃな声で求めたね鰹節を
だから一緒に さきいかを食べたね
だから一緒に お刺身を食べたね

おいなり
仕事に疲れちまったぼくを労ろうと
すりすりしにゃしにゃ
横になったぼくのお腹に乗って
まじまじとまんまるな瞳で見つめていたね
鼻と鼻をくっつけて チュッチュ チュッチュ
ぼくの疲れは どこかに吹っ飛んで行った

おいなり
きみと共に過ごした2年と1ヶ月
ぼくはとっても小っちゃな君から
とっても大きな愛情をもらった

生まれた時から心臓が悪かったおいなりだったが
「おいなり は いつまでも一緒だ」 ぼくは信じていた
お外に遊びに行って中々帰って来ないと
「おいなり が おーいない」 ギャグを言ってたぼくに
ギャグと逆の真実が突然にやって来た
「おいなり が もーいない」
おいなりは秋になりつつある10月1日
満月の様なまんまる瞳を閉じて
緑の風に乗って自然に帰って行った 

ことしの秋は いつにもまして寂しくなるね
「おいなり は もーいない」

            (2015年10月3日作)


  

    


2016年09月28日

詩の危機!!

あしたの体験会は生徒0だし。

大分で初の詩の講座です。
この講座に生徒が、一人も居なければ・・・

先ずは、
10月13日(木)13:30~15:00
新「詩をを一緒に作りましょう!」
(講師;木村永遠)
JEUGIAカルチャーセンターパークプレイス大分。
http://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_48-26405.html
次に、
10月17日(月)13:00~14:30
新「詩を楽しもう!」
(講師;木村永遠)
NHK文化センター大分教室
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1109407.html

汗水たらして?作った
木村永遠オリジナルテキスト使用。
(金子みすゞさんの詩「私と小鳥と鈴と」が、
 最初の教材『人は10人10色。詩も10人10色。
 みんなちがって、みんないい』)

受講して頂いた生徒さんの詩を、
フォトポエム・ポストカードに、詩ますよ。
こころの仕事なので、無料です。
世界で唯一!の掛け替えの無い
「あなたの詩」の
世界を広げたいから!!

生徒になってくれて、
「ありがとう☆」


    


2016年09月25日

体験会(最終) 9/29(木)13:30~14:30

JEUGIAカルチャーセンターパークプレイス大分
(TEL 097-528-7620)
詩を一緒に作りましょう!

講師 木村永遠

体験会(最終)
9/29(木)13:30~14:30

よろしく、お願いします。

JEUGIAカルチャーセンターパークプレイス大分
HP
http://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_48-26405.html



  


2016年09月24日

おいなり から チュー

 おいなり から チュー

         木村永遠

彼女が来たよ
僕の膝に
彼女に逢えたよ
やっと僕の膝で

茶色かな
黄色かな
きつね色だよ
ビール色だね

ちっちゃいけど
がんばってた
おいなり にしたよ名前

愛する猫
おいなり
見つめられると
おーだめ!

おいなり が
突然 おー!いない
そっと 外に

あきらめていたら
あきれていたら
ひょこっと
帰って来たよ

「にゃー」(高い声)
『おだまり』(低い声)

うわ瞳つかいの
おいなり から チュー









10月1日から
「第14回 フォトポエム展」
『やっと 君に 逢えた』が、
始まります。
入場無料です。
みなさん♪よろしくお願い詩ます。
10月1日には、
僕には、悲しくてやりきれない
こともありました。
昨年の10月1日に、
猫の「おいなり」ちゃんが、
亡くなりました。
享年、2歳半でした(涙)。  


2016年09月24日

ヒサチュウ

 ヒサチュウ

       木村永遠

ヒサチュウは僕の妻の父親で
朝から目覚めの焼酎1杯を飲む位
焼酎好きなヒサオさんを
僕は勝手に ヒサチュウと呼んでいる

ヒサチュウは 若い娘は苦手だが
飲むとヒサチュウは 苦手がなくなる

食堂のアルバイトの女の子に
車運転しないから心配しないでいいよ
言った途端に
「お姉さん生もう1杯 お願い!」

大胆なヒサチュウも
酒飲んでても ホルモンは苦手で
「ホルモンはわりい下痢するー」を
強調する
 
「たまには いい酒飲みなーい!」
ヒサチュウは 僕に
『いいちこ6本セット』をくれる

すべて飲んでしまった僕は
5リットルのペットボトルの焼酎に
逆戻り

「また宇佐に行った時
いいちこ飲ませてくださーい!
楽しい話を 聞かせてくださーい!」

ヒサチュウ!お腹は大切に


   


2016年09月23日

お墓参り

 学校前

        木村永遠

「学校前に行く」
母方の祖父と祖母の家に行く
合図だった

母は
小学校から
ほんの前の家で
生まれ育った

佐賀県杵島郡福富村
干潟の出口から始まる川の近く
六角橋を越えた後に
浮かび上がる
学校前の家の優しさ

佐賀県杵島郡福富村
蓮根と蟹漬け(がんつけ)と
スボタク(藁すぼ)とシャッパ(蝦蛄)が
美味しいところ
ムツゴロウが泥だらけで可愛いところ

佐賀県杵島郡福富村
甘いお米が出来過ぎる位のところ
田んぼに水を引き過ぎたためか
平坦な道を
真っ直ぐに進んでいるだけなのに
車は微妙に揺れる

佐賀県杵島郡福富村
餅すすりが有名なところ
同じ村で育った父は
つき立ての餅の端っこに醤油だけつけて
一気にすすって
あっという間に飲み込んだ

学校前の家で
祖父は
庭に面した窓から降り注ぐ
淡い日差しを頼りに
長男が書いた葉隠れの研究を
ゆっくりと読んでいた
祖父は
東京物語の
笠智衆さんのような雰囲気だった

祖母は何故か父が苦手だった
若い頃の父は
黄色い歯をニヤリとさせて
煙草をくゆらし
砂利道を大きなバイクで走っていた

祖母は三〇二号室のベッドの上で
僕を父と間違えて
「えすか(恐ろしい)」と怯えた

学校前の家の庭には
長崎医科大の学生だった長男の
供養塔があった
手を合わせて黙る祖父と祖母は
原爆投下に責任を感じているようにも
思えた
「東京は何時空襲があるかわからない」
長崎に行かせたことを
長男に詫び続けた
顔立ちの似た孫の私に
長男の思い出をよく話してくれた

「学校前に行く」
母方の祖父と祖母の家に行く合図だった
はず

学校前の家は
ずいぶん前に取り壊された
供養塔と桜の木だけは
未だに残っている

今年の春が来るほんの前に
祖父と祖母の十三回忌が営まれる




 

   


2016年09月22日

彼岸花

 彼岸花

           木村永遠

疲れた体と心を乗せた車は
大野川に架けられた橋を渡るとき
もう少しで家に帰れるとため息をつく

渡り終える手前の左側に見えるのは彼岸花
お盆が終わってから
現実の慌ただしさに
深呼吸をすることさえ忘れていた僕を
君は忘れていなかったんだね

君と一緒に佇んだ三年間
僕は君に何もあげられなかったし
君に何もしてあげられなかった

君は最後の一年間さえも
僕に微笑んでいてくれた
微笑む君の瞳の奥に
深く刻まれた苦しみがあることを
僕は知らなかった

彼岸花の真っ赤さは
僕が「付き合ってくれないかな」と
君に告白した後の
君のホッペの真っ赤さそのものだ

時が秋に向かって
七時には夕焼けが空を染める
夕焼けが今までの思い出を
赤く浮かび上がらせる

三年間の掛け替えのない君との思い出が
彼岸花になって真っ赤に迫ってくる
涙が枯れてしまって心に深い皺を刻んだ
僕に向かって


  


2016年09月19日

「ことば」は、人格。

「ことば」は、人格なんだね。
昨日の昼から、
NHK文化センター大分教室の
加賀美幸子さんの
お話を聴きに行きました。
ことばのプロの穏やかだけど
こころ直向きなお話、
とても勉強になりました。
ことばを伝えることは、
伝える人の真心がどうか?で、
伝わるか否かです。
僕も60歳にして、
自分を磨きます。
お話の最後に質問コーナーが
ありました。
「詩の朗読をしている木村です。
加賀美先生が、素晴らしい朗読方法を
完成させたのは?」
「自分なりに全ての言葉をきちんと発音して
(言葉に命を吹き込んで)自分なりの朗読を作りました」
僕も自分を信じて、
僕なりに言葉の隅々までに命を吹き込んで 、
がんばります。


  

   


2016年09月16日

風船唐綿

 風船唐綿

           木村永遠

ふうせんとうわたが
急に真ん中からパカッと真っ二つ
風船が瞬く間に破けた

飛び出した綿の無垢さは
タンポポの愛しさに思えて
タンポポの様な綿毛は戸惑いながら
お空に向かって舞い上がる

ふわふわがぷかぷかゆらゆら
天使のような小っちゃな羽を
精一杯広げて

ふわふわがぷかぷかゆらゆら
お空の大きな瞳の中に写りたいから
精一杯舞い上がる

南アフリカから
どれ位の年月を重ねて
日本にやって来たの
風船唐綿さん

眩しい日も嵐の日も凍える日も乗り越えて
優しさをふわふわさせて
南アフリカからやって来てくれた
風船唐綿さん

日本の西の西のこのお家を
「綿毛に包まれたなら幸せになれるよ」
優しさですべてを包むために訪ねてくれた
そうだよね風船唐綿さん

(僕はこの詩で、
2014大分合同新聞「詩」年間賞を、
 頂いたと思っています。
 選者の長谷目源太先生に、
 一番褒められた詩です)

今日は、
白内障の手術後のメンテナンスに行って、
CDの整理などを、しました。


  


2016年09月15日

敬老の日に寄せて

敬老の日に寄せて

     木村 永遠(政所)

老いていくということは
日常の喜怒哀楽を
積み重ねていくということ
人生の先輩の経験は苦労は
言わなくても
顔に皺に背中に滲み出ている
今はグランドゴルフしながら
見せる満面の笑みも
戦争や災害や
人生の危機に直面した時は
顔が心が固まってしまったことも
あったのだろう
注いでいたいコスモスの純愛を
見詰めていたい老うということを
掛け替えの無い尊い経験の証を

(NHK文化センター・JEUGIAパークプレイス
「詩」講師10月より。体験教室9月)

*大分市東部11,000部配布の
 「月刊Marco Polo」10月号掲載
(10月号用の詩を作らないと)

(今日は、法務局に行って、
 司法書士さんに頼んだら、
 12,000円かかる書類を提出した。
 12,000円、もうけた!?
 浮いた分は、呑み代?
 帰りに、久し振りに平和市民公園の時計の所。
 からくり時計だったのに!
 メンテナンスのことも考えて、
 設置しないとね)