2015年01月31日

「九年前の祈り」を読み進むうちに内に受けた衝撃


 母も同然のキナコなら、彼の顔を濡らす涙を舐めてあげただろう。しかし犬に育てられただ
けあって舌を使って愛撫するのがうまいのはむしろ彼のほうだった。乳首や性器、そして肛門
に至るまできれいに舐めてくれた。犬のように後ろからのしかかってきて性器を挿入するのが
好きだった。そして犬のようにすぐに射精した。


 希敏と一緒にすぐに戻ってこいと言う前に、「ほーらみい」と、予想していたのと一字一句
たがわぬ言葉で母は言い放った。「最初からうまくいかんと思うておった」


       。どこからか、「なんのにおいかーい?くせえのお」と後藤のえーこ姉の声
が聞こえた。「まことガイジンはシャワーを浴びるだけで風呂に入らんちゅう話じゃもん
のお、くさや、あたしゃ気持ちが悪い、吐きそうじゃ」とふっちーが呻いた。

                                                     他




大分県佐伯市「ランブル」  


Posted by にぎにぎ at 23:58Comments(0)こだわり

2015年01月31日

「おおいた詩部(しぶ)」での「僕の詩の朗読」について。

今頃、この記事に気が付きました。
友人でシンガーソングライターの「にしやまひろかず」詩が、
「僕の詩の朗読」についての感想を書いていました。

『この人はすごかった。はじめは、なんかものすごくゆるゆるとしていて、
子供の視点というのかあれは?そういう感じの朗読に大笑いしてしまった。
(詩「ヒサチュウ」など)
後半には、佐賀県での詩のボクシングで最後に朗読したものを読まれていて、
ぐっとくるものがあったなぁ。また、この朗読を聞きたいとおもった。
(詩「あっこ」)』

「12月27日土曜日 大分アトホール おおいた詩部(しぶ) 」の僕の詩の朗読は、
ビデオ撮影したのだが、いまだに見ていない。

はじめての試みとしてCDを流して、曲に合わせて朗読をしたのだが、
自分では成功したとは思っていたが、
その良否は、観客(聴衆)の声でしか判断できない。

にしやまひろかず詩の感想は、とても嬉しかった。

2月8日(日)は「大分合同読者文芸年間賞」の表彰式だ。
栄えある場所で『詩を、みなさんの手元に届けたいので、
フォト・ポエム(フォト咲夜三恵)にしたり朗読したりしています』と
言おうと思っている。


  


Posted by にぎにぎ at 19:02Comments(0)こだわり詩2012年4月~

2015年01月31日

『九年前の祈り』小野正嗣 (講談社)第152回芥川賞受賞作

生徒が「卒業考査最後の日」の夜(昨夜)、読み終えました。


物語は9年前に地元の国際交流活動の一環として企画された「カナダ旅行」と
現在、さなえと息子の希敏(ケビン)との故郷での暮らしがパラレル且つ、
当時と今がさなえの意識の中で混濁した状態で進んでいく。

希敏の発達障害と思われる、突発的に時と場所を選ばず起こるミミズがのたうちまわる様な
泣きわめき暴れる姿に、さなえは正直手に負えない気持ちを持ち、
さなえの母は昔からの姿勢そのままに
因果応報的な発言をし、傍観者であろうとする。

過去にさなえは子持ちの中年男性と交際し結婚も考え、
カナダ旅行で知り合ったカナダ人とは
東京で同棲、結婚をし希敏が生まれた。

その悉くをさなえの母は旧来の常識的理由から否定してきた。

さなえにとって故郷で安住の住み処であるはずの実家は、
必ずしも心安らかに暮らせる環境ではない。

希敏の度を過ぎた泣きわめきは、さなえの心を痛めつけ、
握り続けなければいけないはずの
その息子希敏の手を離しそうになってしまう。

そんな時、さなえの心の中で響き渡るのは9年前のカナダ旅行で、
機内で泣き叫ぶ子供を見た時の みっちゃん姉の
「子供はみんな泣くものだ」という言葉なのだが、
それをみっちゃん姉が言ったのか?
果たしてカナダ旅行の時に言ったのか?
さなえの記憶は確かではない。

ただ、悲しみに折れそうになるさなえの心を支えてくれるのは、
みっちゃん姉の存在とその言葉であり、
放してしまいそうになる希敏の手、
母と子の関係を強く握りしめてくれる。


9年前のカナダ旅行の時、
みっちゃん姉は町の教会で何を祈っていたのか?

物語のクライマックスでその9年前の祈りが、さなえの胸に去来した時、
この作品の崇高さと自分と息子を包む淡い一筋の光が見えてくる。

大分の一地方の母と子の描いた小さな物語が、読む者の心を揺さぶり、
それぞれにとって大切なものは何か?を強烈に問うてくる。


(「大分のオバちゃん」の明け透け過ぎる所が凄い?)

(静かにじわじわ心に入ってくる小説が好きか?
最近話題の又吉直樹作「火花」(文学界2月号)の激しい心の噴出が好きか?)


午前中、OBSかぼすタイムを見て、行って来ました。
佐伯市


ランブル
コーヒーは勿論、シュークリームもとっても美味しかった。

僕も持っている宮沢賢治詩「雨ニモマケズ」






佐伯回転寿司マルマン
(僕にとっては高価な寿司)
口の中でトロケル位、とっても美味しかった。




「ちゃんきー」で、たこ焼き買って帰った「きーちゃん?」でした。  


Posted by にぎにぎ at 16:50Comments(0)日記こだわり